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第9回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(墨田区・SUMIDA INNOVATION CORE)

25/07/07 REPORT : 事業におけるデザインに困った人のための “クリエイティブディレクション″

第9回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(墨田区・SUMIDA INNOVATION CORE)



第9 回目のテーマは、「事業におけるデザインに困った人のための “クリエイティブディレクション″」。
稲波校長がデザイン制作において大切にしている、” 共創体験を創ること”” 創造的飛躍” がキーポイントになると言います。

会場は、今回で3 回目の開催となる墨田区・SUMIDA INNOVATION CORE。
連続で参加してくださっている方も多く、和やかな雰囲気の中、レクチャーがスタートしました。

【レクチャー】
最近は、関わり方の違いはあれど、全くクリエイティブが感知しない事業はほとんどなく、その中で抜け落ちがちなのが、クリエイティブディレクションだと言います。

デザイナーと一口に言っても、やり方や担える領域は千差万別。
クリエイティブディレクションする役割、プロジェクトマネジメントする役割、デザイン領域をきちんと活用する役割の3 者が必要だという認識を持って、プロジェクトの中で誰かしらが担えるような座組みをすることが大切。

また、3 者の中で創造的飛躍を生み出すためには、役割が一体的に機能することが重要で、それぞれの役割に壁を作らず、越境する意識で進めることで、視野が立体的になり、上手くいく秘訣だと、校長は経験的に思っていると言います。

さらに、ブランディングをする上で血肉となる世界観についての話も。
商品と商品、商品とユーザー、商品と市場の間に流れている空気が重要で、そこからイメージされる雰囲気を留めたり、共通理解としてもらったりするために、ムードボードやオリエンシートといったイメージや情報を整理するためのツールが活用されていると言います。

【ディスカッション】
校長がクリエイティブディレクションにおいて大事だと考えている5 つの項目( 経営とデザインを繋ぐ、言語/ 非言語の両輪で、伝え方を同じにする、言い過ぎない、深いコミュニケーション) を中心に、参加者からの質問に答えていきました。
深いコミュニケーションのために、分からないことは聞いてもらったり、もっとこうしたいがあれば遠慮なく言ってもらったりできるような関係性を作ること、それが共創体験を創ることにも繋がっていると校長は言います。
他にも、座組みによって話を聞きたい相手と直接コミュニケーションを取れない…という切実なお悩み相談も。

【ワーク】【発表】
映画や展覧会のチラシを見て、逆算的に、どういう意図でどのように最初の発注をしたのかを想像してみようというワークに取り組んでもらいました。
「インパクト重視」のようにシンプルな表現や、「不気味だけど、思わず目が引かれて、実は愛嬌がある感じ」のように裏の裏をかいたような表現など、様々なアイデアが飛び出しました。
レクチャーやディスカッションではいまいちピンと来ていなかった方にも、クリエイティブディレクションというものを、楽しみながら体感して、理解を深めてもらうことができました。

【感想】

  • 今ちょうど仕組みをデザインするところにいて、チームの中で一つの情報を共有することに難しさを感じていたので、今日学んだプロセスのところを活かしていきたい。
  • 普段、営業の第一線でやっている中で、相手の力を利用して、コミュニケーションを取ることを自分がやっていたと気づきがあって、勉強になった。

【まとめ】
クリエイティブディレクションは、これから不可欠な考え方になっていくと思うので、逃げずに向き合ってほしい。
今回のレクチャーやワークでお伝えした内容が、皆さんの身になったら嬉しいという言葉で、会を締めくくりました。

【アンケート】
「学び合い到達度調査票」としてデザスクを通してみなさんの考えや意識がどう変わったかアンケートをとらせてもらっています。一部ご紹介いたします。