Tokyo Midtown Design Hub
第13回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(渋谷区・レベルフォーデザイン)

25/09/25 REPORT : デザイナーを伴走させる価値

第13回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(渋谷区・レベルフォーデザイン)



第13 回目は、前回と同じく渋谷区・レベルフォーデザインにて開催。
前回に引き続きテーマは” デザイナーを伴走させる価値”。
デザインは体で学ぶことを大事にしてきたという稲波校長の下、今回はワークにもたくさん取り組んでいただきました。

【レクチャー】
かつての形のデザインがメインだったが、今は形のデザインに至るまでどうするか考える、考え方のデザイン(= 広義のデザイン) が重要になってきている。
また、ぴょん=創造的飛躍を大事にしているが、デザイナーでも自分たちだけでは起こせないと思っていると言います。

ぴょんを体感していただくべく、早速ワークへ。

【ワーク】
1 つ目のワークは、前回ミニワークとして取り組んでもらった左脳デッサン。今回はコンビニのお惣菜を題材に、観察・スケッチをしてもらい、4 名に気づきを発表してもらいました。容器の形状や食材の入れ方から、コンビニ側の狙いを分析するところまで至っている人もいましたが、” 食べ物である”という当たり前のこと(= 盲点) に気づいた人はほぼおらず。

デザイナーは、この盲点になりやすい、そもそものことを問う姿勢= デザイン態度を持った上でデザイン思考を使い、ワクワク・たのしい・うれしいを大事に人の心を動かすことを考えている。深いところに行き着くために、部分的に見るのではなく、フィードバックを得ながら、全体的に深めていくというデザイン態度を大事にしてほしいと校長は考えています。

続いて、2 つ目のワークは、「比較してみよう」。
オフィス街と郊外店の、大手コンビニ2 社のスナック菓子コーナーの写真を見ながら、比較して気づいたことを発表していってもらいました。
プライベートブランドの商品の多さや、補充の程度など、写真から分かる情報だけでなく、普段はあまりコンビニに行かないという個人の習慣から来る発言も飛び出しましたが、ここがまさにポイント。ものの見方や生活の中でのインプットの仕方は人それぞれなので、“観察した景色+自分の経験=その人にしか見えない気づき” というものに自覚的になることが大事。
また、その気づきを無理やり意味のあることに紐づけようとせず、” ナチュラルな気づき” として大事にしてほしいと校長は言います。

最後に、3 つ目のワークでは、デザイナーの方とそうではない人の2 人1 組になってもらい、対話をしてもらうことで、ワーク1 での観察をより深めてもらいました。食の嗜好やパッケージデザインの話、出身地の話や商品展開のアイデアまで飛躍したチームもあり、文字通り” デザイナーを伴走させる価値” が発現したことを感じる発表の時間となりました。

【まとめ】
ワークを通して、自分だけでは見えなかった事が見えてきたのではないか。
ものを作る段階ではなく、気づきを醸成する段階からチームにデザイナーを加えてやっていくことが大事。
デザインが楽しい未来の力になると感じている。

【感想】

  • 自分だけの気づきを見つけることが大事というのが一番印象的。その人の中にしか答えがないことを引き出す。デザイナーを指す意味が広すぎるので、選びやすい言葉に変わっていったら良いなと思った。
  • そもそもや疑問は普段から湧いてたけど、そこで止まっていたなと。何か次に活かせるんだなということがわかった。
  • 相手のポテンシャルを上げたいと思って仕事をしているが、自分の視野・視点・経験を豊かにしていかないとできないなと再確認できた。
  • 打合せで自分の発言が相手にどう影響するのかを気にして、言いたいことの幅が狭まっていたけれど、自分の視点を持って話すことが大事だなと感じた。

【アンケート】
「学び合い到達度調査票」としてデザスクを通してみなさんの考えや意識がどう変わったかアンケートをとらせてもらっています。一部ご紹介いたします。