Tokyo Midtown Design Hub
第4回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(立川市・design shop 294)

25/04/27 REPORT : デザインするってどういうことか

第4回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(立川市・design shop 294)



第4回目のテーマは、「デザインするってどういうことか」。

今回は、”多摩を世界一クリエティブな地域にしていきたい”と目論んでいる萩原しゅうさんをゲストにお迎えし、立川市・design shop 294 にて開催。まず萩原さんから、会場のあるエリアの歴史や活動をご紹介いただき、どんな会になるのかと稲波校長も期待が高まります。また、半数以上が立川市周辺エリアからの参加者ということで、地域柄を感じるスタートとなりました。


【レクチャー】
デザインの語源はデジナーレで、全体の計画が上手くいっているかを見る仕事のこと。
産業革命によって分業が進み、デザインという工程が切り出されたが、2000年までの経済に寄与するデザインから、今の考え方はデジナーレに戻ってきているのではないかと校長は考えています。

デザインは物事をより良くする技術で、ワクワク、たのしい、うれしいという感情にどう訴えられるかが大事。
言語的に理屈で解決できる、わかりやすいことのほとんどはすでにビジネスになっていて、これからは非言語的解決として、よくわからないけど、感情に付随してくような本質的なことをやっていく人が増えていくのではないかと話す校長。

また、マクロとミクロの視点を行き来することも大事。立体的思考を持ち、普段から目の前の出来事がどういう事象を引き起こしているのかを意識して分析することがその人の感性となり、それがデザインの起点になる。

そして、デザイン思考のプロセスを回すことで、分からないことを分からないなりに少しずつ進めていくことができると言います。


【ワーク・発表】

今回のワークのテーマは、みなさんの”よくしたい”を考えよう。
デザイン思考のプロセスを回す前段階として、それぞれが最近気になっていることやよくしたいと思ってることを、書き出してもらいました。

次に、よくしたいと思ったことにさらにもう一歩踏み込んで、その奥にある本当の問題が何かを見つめて、テーマを設定してもらい、最後に1人ずつ発表をしてもらいました。自分の身の回りのことから、地球環境に関するものまで、それぞれで深掘りしたいテーマがたくさん飛び出しました。


【まとめ】

デザインするってこういうことでしょ?と即物化してきていて、やり方をとにかく教えてほしいと求められがちだが、デザインをすることで何を得たいのか、その先にあることが大事。

よりよくしていくためにデザイン思考のプロセスを回すという手段があるべきで、それは問題・課題だけではない、未来や価値を見つめ直すことにもつながる。

ワークで体験してもらった、目の前に見えた問題から少し視野を広げて捉えた時に見えてきたテーマに対してやってみるというデザイン態度を普段から意識しながら、社会からのメッセージを身体でキャッチできるか。

デザイン思考を実践して、皆さんにしか作れない景を作っていってほしいと締め括った校長。
その後もたくさんの質問や感想が飛び出し、大盛況のうちに終了しました。


【感想】

  • 簡単なワークだったが、みなさんそれぞれが見つけた"本当の問い"におどろきがあった。
  • デザイン=ワクワク・とかを手を動かした上で指摘されることで実感できた。
  • 頭の中の問いの点がつながるような時間だった。実践知になるように活動を続けていきたい。

【学び合い到達度調査】
「〜とは?」という質問に対して、スクール前とスクール後で自分の認識がどうかわったか?を尋ねるアンケートです。
今回は、「デザインとは?」「そもそもを問うとは?」「感性とは?」という問いに対し、
上がスクール前、下がスクール後のそれぞれの方の回答です。 *執筆者の了承のもと公開しています