Tokyo Midtown Design Hub
第28回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(港区・東京ミッドタウン・デザインハブ)

26/7/6 REPORT : 「みえないデザイン」から「みえるデザイン」にどうつなげるか❶

第28回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(港区・東京ミッドタウン・デザインハブ)



今回のテーマは「みえないデザインからみえるにどう繋げるか」。近年注目されている「みえないデザイン(広義のデザイン)」と、具体的な製品やロゴといった「みえるデザイン(狭義のデザイン)」を、ビジネスの現場でどのように一貫性を持って結びつけるべきか、そのプロセスを深く掘り下げていきました。

【レクチャー】意味をデザインし、価値を繋ぐ

稲波校長は、デザインの大きな役割の一つを「今までにない答えを出すこと」と定義しました。
一般的な企業の「売上のためにこれをやる」といった直線的な思考に対し、デザインは多くの要素を拾い上げながら「統合的に考える」手法であると説きました。

講義では、市販のコップとラグジュアリーブランドのグラスを例に挙げ、「物的価値」と「意味的価値」の違いが説明されました。グラスが、コップの何十倍もの価格でも売れ続けるのは、そのグラスを使うことの「ロマン」や「意味」が設計されているから。デザイナーには、この「意味のデザイン」が求められています。

この価値を届けるための構造として示されたのが、ミッション・ビジョンを中心に、アクション、事業、そして末端の製品・サービスまでを繋ぐ設計図です。
良い目的を掲げるだけでなく、それが末端の製品からミッション・ビジョンが「滲み出る」まで一貫してデザインされていなければ、顧客に価値は伝わりません。また、自動車メーカーが「移動の価値」を掲げることで事業領域を広げた事例を引き、目的によって「物の輪郭を溶かす」ことが、新たな事業展開の鍵になると語られました。

【ワーク】強制発想法で導き出す新たな事業

ワークでは、目的からの紐付けを体感するために、2つのステップに取り組みました。

まず、参加者自身が社長になったと仮定し、「自社の目的」を設定した上で自社のロゴをデザインする個人ワークが行われました。ここでは、単純な絵のうまさではなく、目的の整理と、目的を伝えるための取捨選択をいかにするかを手を動かしながら体験します。参加者からはどのような要素をロゴに込めるべきか、試行錯誤する姿が見られました。

続くメインワークでは「強制発想法」という手法が用いられました。自ら設定した「目的」に、「対象(誰に届けたいか)」と「リソース(自社の強み)」のカードをランダムに掛け合わせ、3分という短時間で新しい企画や事業を出すことにチャレンジ。ランダムな組み合わせに苦戦しながらも、自社のリソースを全く別の視点から捉え直すプロセスに、盛り上がりを見せました。

【まとめ】統合的思考が導く一貫したデザイン

今回のまとめとして、今回の中心概念である「統合的思考」の重要性が改めて強調されました。 統合的思考とは、広く深く観察しながら、行きつ戻りつして対象の全体をまとめ上げ、らしさのある答えに練り上げていくこと。統合的思考によって、最上位概念である「目的」から、具体的な「商品・サービス」に至るまで一貫した軸が生まれます。一度その輪郭を溶かし、より広い視野で「そもそも何のためにやるのか」という目的から考え直すことで、「今までにない答え」が見つかると参加者に伝えられました。

【感想】

・今まで見てきたものが邪魔をして「輪郭を溶かす」のは難しかったが、非常に新鮮な体験でした。

・会社のことを原点から見直す良いきっかけになり、今の社名に込められた意義を再発見できました。

・「広義のデザイン」がぼんやりしているとアウトプットもぼやけてしまう。具体と抽象を行き来することの価値を実感しました。

・強制発想法で思いもよらないアイデアが出てきて、自分の事業を振り返る貴重な時間となりました。

【アンケート】

今回の「『みえないデザイン』から『みえるデザイン』にどうつなげるか」に参加しての感想のアンケートをとらせてもらいました。一部ご紹介いたします。